両親の愛情が子どもの健全な成長に不可欠であるとの認識のもと、子どもの連れ去り別居、その後の引き離しによる親子の断絶を防止し、子の最善の利益が実現される法制度の構築を目指します

令和3年3月12日、朝日新聞

不仲に気づいていたけど…父母の別離問題、抱え込む傾向

 両親の不仲に気づいていながら、両親からは何の説明もなく、周囲にも相談できない――。未成年時に両親の離婚・別居を経験した20~30代の1千人を対象に法務省が実施した調査から、父母の別離の問題を一人で抱え込む傾向が強い実態が浮かんだ。調査では、子どものための身近な相談窓口の設置を求める声が多く上がった。

 調査は1月にネット上で行われ、法務省が12日に結果をホームページで公表した。同省は、法制審議会(法相の諮問機関)での離婚後の子どもの養育に関する議論や、今後の政策に生かしたい考えだ。
 調査結果によると、両親が別居を始めた年齢は「3歳未満」から「中学卒業後」以降までまんべんなく広がり、母親と同居した人が786人と圧倒的に多かった。ただ、別居した親とも関係は悪くない人が多く、「非常に良い」「良い」「まあまあ良い」「普通」の回答の合計が約7割を占めた。

 別居前の家庭内の状況を覚えていると答えたのは672人。このうち、両親の不仲について「知っていた」「薄々気づいていた」のは543人(80.8%)だった。また、235人(35.0%)は両親からの説明が「なかった」といい、周囲に相談したのは63人(9.4%)にとどまっていた。相談しなかった理由は、「人に言いたくなかった」が129人(19.2%)、「相談したかったが適切な人がいなかった」が128人(19.0%)、「相談できる人はいたが自分で抱え込んだ」が56人(8.3%)だった。

 両親の離婚・別居が自身の恋愛や結婚にどう影響したかについては、プラスの影響があったとする回答が21・2%、マイナスの影響が24・0%だった。これに対し、自身の子どもとの親子関係に及ぼした影響ではプラスの影響が30・4%で、マイナスの影響の12・5%を大きく上回った。
 上川陽子法相は12日の記者会見で「子どもの視点に立って検討を進める観点から子どもの経験の実態把握は重要」とし、「問題の難しさや重要性について認識を新たにした」と語った。(伊藤和也)

【参考:法務省ホームページ】
未成年期に父母の離婚を経験した子の養育に関する実態についての調査・分析業務報告書の公表について
・未成年時に親の別居・離婚を経験した子に対する調査 【簡易版】PDF
• 未成年期に父母の離婚を経験した子の養育に関する実態についての調査・分析業務報告書 PDF

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