両親の愛情が子どもの健全な成長に不可欠であるとの認識のもと、子どもの連れ去り別居、その後の引き離しによる親子の断絶を防止し、子の最善の利益が実現される法制度の構築を目指します

寄稿SeasonⅢ⑤

Season Ⅲ ⑤故・棚瀬一代さん(臨床心理士

故・棚瀬一代さん(臨床心理士)
聞き手・Masaくん(気弱なジャーナリスト)

Masa 米国での調査・研究を基にした「『クレイマー、クレイマー』以後~別れたあとの共同子育て」などの名著がある棚瀬一代先生は神戸親和女子大学の教授も務めましたが、残念ながら2014年に71歳で逝去され、今は天上にいらっしゃいます。霊界と交信のできるボクは一代先生と対話を試みたいと思います。先生、お願いします。
一代 子どもに全く傷を残さずに離婚することは不可能です。やはり抜かしてはいけないのは、子どもがどの時期に親が離婚したのかという点です。
Masa まず0~1歳半あたりでは?
一代 この時期は非常に父親の存在が大きくなってきます。もちろん母親との関係も愛着、絆、一生にわたる基盤を形成する時期です。
生まれてきた子を見て「わぁ、かわいい」という気持ちが湧けば、その後に虐待や愛着障害が起きる可能性はありません。それほど初対面は大切です。
Masa 1歳半~3歳はどうでしょう?
一代 1歳半ごろから2歳ごろまでが心理学的に子どもの発達の中で難しい時期で「再接近期」に当たります。歩けるようになり母親から一時離れて外の世界に夢中になっていますが、ストレスにも出合ってもう一度母親のもとへ戻ってきます。母親にとっては忍耐力を試される時期です。葛藤から自由な父親がいると、母子ともにその大変な時期をクリアしていけます。そういった意味で父親の存在がとても重要なのです。
 3歳までの両親との基本的な関係性が後の対人関係の基盤になります。この時期に両親が別居・離婚すると、必ずと言っていいほど悪夢や退行などの現象、不安症状が発生します。
Masa その後は?
一代 発達心理学的な段階では、何でも自分中心に考える時期を迎えます。「離婚したのは自分が十分かわいくなかったからだ」とすべて自分の責任にしてしまうわけです。そういった傾向を考えて「離婚はあなたのせいではない」と何度も言ってあげる必要があります。
 6歳ぐらいになると、それまでの離婚は起きていないと否認する心の自己防衛ができなくなります。親の離婚という現実に直面せざるを得なくなり、悲しみが一番きつくなります。
Masa 幼年期のケアって、なんとも難しいものですね。

3-5
寄稿一覧に戻る

更新 2022-03-14 (月) 07:00:10
a:678 t:1 y:0

powered by Quick Homepage Maker 5.2
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional