両親の愛情が子どもの健全な成長に不可欠であるとの認識のもと、子どもの連れ去り別居、その後の引き離しによる親子の断絶を防止し、子の最善の利益が実現される法制度の構築を目指します

平成30年3月27日、朝日新聞

(声)日本も共同親権を認めるべきだ

 弁護士 伊藤紘一(東京都 75)
 2010年の相対的貧困率の国際比較を見ると、日本の一人親家庭の貧困率50・8%は、OECD加盟国の平均31・0%を上回り、最も高い。
 原因は、諸外国は離婚後も父母による共同親権なのに対し、日本は片方が親権者だという制度にある。共同親権の場合、「面会交流の具体的な約束」が決まらないと離婚できない。日本は離婚届に養育費と面会交流の約束の記載欄はあるものの、おざなりだ。
 面会交流の効果として、(1)離婚に伴う子どもの悲しみが癒やされる(2)双方の親から愛されているという安心感(3)父母をモデルとした自我形成が可能(4)自尊感情の形成に役立つ、などがある。面会交流をしていれば、養育費の支払いも行われやすい。
 日本の一人親家庭が貧困であれば、生活保護による援助も必要になる。財政負担は、共同親権で面会場所を提供したり、カウンセラーの費用を負担したりするより大きい。一刻も早く共同親権にして、離婚時には(1)養育プログラム(2)養育費の支払い(3)具体的な面会交流の約束を第三者機関がチェックし、面会前の引き渡し場所の提供やカウンセリングも制度化すべきだ。

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