両親の愛情が子どもの健全な成長に不可欠であるとの認識のもと、子どもの連れ去り別居、その後の引き離しによる親子の断絶を防止し、子の最善の利益が実現される法制度の構築を目指します

平成31年2月26日、Viewpoint

親権を巡る子の連れ去り

 今月19日、離婚した夫婦間の子供を親権者に引き渡す際のルールを明記した、民事執行法の改正案が閣議決定された。
 夫婦が離婚した場合、欧米では共同親権が一般的だが、日本は片方の親が親権を有する単独親権を取っている。基本的に夫婦間の話し合いで親権を決めるわけだが、親権を失った同居親が子供だけは渡したくないと、司法判断に従わないケースが少なくない。
 ハーグ条約では国境を越えた子の連れ去りは、子の利益に反する等の理由で、原則子を元の居住国に返還することを義務付けている。ハーグ条約締結以前には、海外で居住していた母親が日本に子供を連れ去るケースが頻発し、日本に批判の目が向けられてきた。
 もちろん虐待やDV(ドメスティックバイオレンス)等の恐れから、一時関係を断つというのは分かる。ただ親権をめぐって、妻が子供を連れて、家出したまま、一度も、わが子に会えない。あるいは父と子の関係が一方的に断絶されるといった、子供の意に反した親子引き離しも頻繁に起こっている。
 これは極端な事例だが、2013年に離婚調停中の父親が息子を巻き添えに小学校の校庭で焼身自殺を図った事件があった。17年に面会交流中の父親が自宅マンションで娘と無理心中を図るという痛ましい事件も起きている。こうした親権をめぐるトラブルに子供が巻き込まれるのは、子供に二重の精神的痛手を与える最悪の行為である。
 改正案では、同居親が不在でも親権親が立ち会えば引き渡しができるようになる。また養育費などの支払いに応じない親に対する財産開示制度も強化される。
 離婚したとしても、子供にとって親であることに変わりはない。子供の意思に反して、片方の親が、わが子を連れ去る、あるいは親との面会交流ができないといった状況は改善されなければならない。(光)

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