両親の愛情が子どもの健全な成長に不可欠であるとの認識のもと、子どもの連れ去り別居、その後の引き離しによる親子の断絶を防止し、子の最善の利益が実現される法制度の構築を目指します

令和6年2月5日、毎日新聞

離婚後の共同親権 子どもの幸せを最優先に

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 どのような親子のあり方が、子どもの幸せにつながるか。その観点からの仕組みづくりが肝要だ。
 離婚後の親権に関する制度の見直し案を法制審議会の部会がまとめた。現行の民法では父母の一方だけに親権が認められるが、共同親権も可能になる。

 父母で話し合って、共同親権にするか、どちらかの単独親権とするかを選ぶ。結論が出ない時や、そもそも話し合いができない場合は、家庭裁判所が決める。

 親権は、未成年の子の世話や教育、財産管理をする権利・義務を指す。住居や進学・就職、医療などについて責任を持つ。

 2022年、子どもがいる夫婦の離婚は9万4565件あった。
 共同親権になれば、子どもと同居していなくても親としての自覚を持ち続けられると、導入を求める人たちは訴えてきた。
 養育費が支払われないケースが減ると期待されるほか、父母双方との交流が続くことは、子どもの成長に好ましいと指摘する。
 一方、配偶者からの暴力(DV)や子どもへの虐待がある場合、親権の行使を盾に、被害が続きかねないと反対派は懸念する。
 離婚後も、子どもに関することは父母の合意が必要になるが、関係がこじれていれば、話し合いさえできない可能性もある。
 部会では、家族の形が多様化していることを背景に、共同親権の導入賛成派が多数を占めた。
 反対派の懸念を踏まえ、見直し案では、DVや虐待がある場合、家裁は共同親権を選択してはならないと規定された。
 共同親権の下でも、日常の世話や教育のほか、差し迫った事情がある時は、単独で対応できることが盛り込まれた。
 ただ、どんなケースが該当するかは不明確だ。
 見直し案では、家裁の役割が重要になる。当事者の事情を的確に把握し、公正に判断するためには体制の充実が不可欠だ。子どもの安全に関わる場合は、慎重な対応が求められる。
 子どもの意思に最大限配慮する手立ても欠かせない。
 政府は今国会に民法改正案を提出する方針だ。子どもに不利益が及ばないよう、議論を尽くす必要がある。

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