民間法制審議会家族法制部会
日本の家族制度を考える勉強会
(令和5年10月11日、国会議員会館)
「民間法制審案を勝手に応援する会」による意見書提出
「民間法制審案を勝手に応援する会」から法務省の「家族法制の見直しに関する中間試案」のパブリックコメントに対して2月17日に意見書が提出されました。
法務省法制審議会家族法制部会における民間法制審議会家族法制部会中間試案の説明
2022年12月20日の法務省法制審議会家族法制部会において民間法制審議会家族法制部会中間試案の説明を北村晴男弁護士(民間法制審議会家族法制部会長)がされました。
その際の説明資料(概説編を除く)を提供頂きましたので、掲載いたします。
○民法の一部を改正する法律案
○民法の一部を改正する法律等(案) 逐条解説
なお、概説編は、法務省法制審家族法制部会には提出していませんが、法律案新旧対照条文の補完説明として当会に提供頂いたものです。
令和5年1月10日、法務省ホームページに民間法制審の条文案と逐条解説が掲載されました。
法制審議会家族法制部会第21回会議(令和4年12月20日開催) 資料等
これにより、パブリックコメントに「民間法制審議会案を答申に反映してほしい」等の要望を記載することができます。
「民間法制審議会家族法制部会中間試案を勝手に支持する弁護士の会」による要望書提出
「民間法制審議会家族法制部会中間試案を勝手に支持する弁護士の会」(130名)により、自民党法務部会「家族法制のあり方検討プロジェクトチーム」提言に基づく民法等の改正作業実施を求める要望書が高市早苗自民党政務調査会長に2022年7月27日に提出されました。
‐自民党法務部会「家族法制のあり方検討プロジェクトチーム」提言に基づく民法等の改正作業実施を求める要望書
‐別添1(自民党法務部会 家族法制のあり方検討プロジェクトチーム 提言)
‐別添2(民間法制審議会家族法制部会 中間試案)
民間法制審議会家族法制部会
国内外の研究者や弁護士らでつくる民間法制審議会家族法制部会は、2022年5月31日に、民間法制審『中間試案』を取りまとめ、高市早苗自民党政調会⾧に提出しました。
※詳細は各添付ファイルを参照ください。
民間法制審議会家族法制部会『中間試案』概要
◆民間法制審家族法制部会『中間試案』自民党提出経緯
令和3年3月、法務大臣からの諮問に基づき、父母の離婚に伴う子の養育の在り方を検討するため、法務省法制審議会家族法制部会(以下「法務省法制審」と略)設置
• 法務省法制審は、本年6月~8月に中間試案を発表。この案をもとに法務省が法案を作成し国会に提出予定
• 法務省法制審の本年3月・4月の審議を見ると、中間試案は「離婚後のみならず、婚姻中の家族の在り方まで変更する革命的なもの」となるおそれ
• 比較検討する対案もないまま、法務省法制審の中間試案の内容が与党で承認され、法制化されることを危惧
• 急遽、民間法制審議会家族法制部会(以下「民間法制審」と略)を設置。フランス、イタリア、オーストラリアの弁護士らを加え集中審議(本年4月26日、5月11日、5月24日、各3時間、Web会議)
• 本年5月31日に、民間法制審『中間試案』を取りまとめ、自民党政調会⾧に提出
◇民間法制審『中間試案』の提案内容
• 全ての欧米諸国、台湾や韓国も採用する離婚後『共同親権・共同監護』制度の創設
• 婚姻中の家族の在り方を規定する現行の民法体系と整合性のとれた制度の創設
• 父母が配偶者暴力(DV)や児童虐待を行っている場合など、特殊な事例にも対応した制度の創設
• ハーグ条約(国際的な子の連れ去りを禁止する条約)不履行国と国際的に非難される原因となっている国内法の改正
◇期待される今後の展開
1. 与党において、法務省法制審が発表予定の『中間試案』と民間法制審が提出した『中間試案』を比較審査。我が国の家族制度としてふさわしいと考える方の『中間試案』を選定。
2. 選定された方の『中間試案』をもとに、政府内で法案作成又は議員立法で法案を作成し、早ければ今秋の国会に提出
民間法制審議会家族法制部会委員
(令和4年5月31日現在)
[部会長]
弁護士 北 村 晴 男
[委員]
長崎大学准教授 池 谷 和 子
臨床心理士 石 垣 秀 之
ボローニャ大学教授・ カテリーナ パシーニ
イタリア弁護士
オーストラリア弁護士 ステファン ペイジ
麗澤大学客員教授・ 高 橋 史 朗
元埼玉県教育委員⾧
イタリア弁護士 フェデリカ バロ
元フランス人権大使・ フランソワ ジムレイ
元欧州議会議員・フランス弁護士
父母の離婚後等における子に関する事項の決定に係る規律案(中間試案)
※補足説明等、詳細は下記ファイルを参照ください。
‐父母の離婚後等における子に関する事項の決定に係る規律案(中間試案)
第1 はじめに
第2 父母の離婚後等における子の親権に関する事項の決定に係る規律
婚姻中、共同して未成年の子に対して親権(注)を行っていた父母が離婚する場合、引き続き共同して親権を行うこととする規律を設ける。
親権を行う父又は母は、離婚に伴い親権を適切に行使できないやむを得ない事由が生じるときは、家庭裁判所の許可を得て、親権を辞することができる。
(注) ここでいう「親権」とは、未成年の子どもを育てるために親が持つ権利と義務の総称で、民法(明治 29 年法律第 89 号)に規定されているものを指す。親権には、子どもの身の回りの世話をする(監護権)、子どもに教育やしつけをする、子どもの住む場所を決める(居所指定権)、子どもの財産を管理する(財産管理権)といったことが含まれる。
第3 父母の離婚後等における子の監護者に関する事項の決定に係る規律
父母が離婚する場合に引き続き共同して親権を行うこととする規律を設けることに伴い、離婚時に「子の監護をすべき者を定める」とする民法第766 条第1項の規定を削除する。
その他、父母の共同監護を前提とする離婚後共同親権制の概念に反する監護者に係る制度は、これを廃止する。
離婚時に「父又は母と子との面会及びその他の交流、子の監護に要する費用の分担その他の子の監護について必要な事項は、その協議で定める」(民法第766条第1項)とする規定に基づき、離婚時には、子の監護について必要な事項を「共同監護計画」として公正証書化することを義務付けるとともに、離婚届とともに、この「共同監護計画」を添付しない限り、離婚の届出は受理できず、無効とする規律を設ける。
離婚時の「共同監護計画」作成支援のため、「共同監護計画」作成の指針(ガイドライン)を法定化するとともに、「共同監護計画」作成のために、弁護士等による裁判外紛争解決手続(ADR)を利用できることとし、その費用の一部を国が給付する規律を設ける。
また、離婚時には、子の監護に関する講座(以下「離婚後監護講座」という。)の受講を父母双方に義務付け、離婚後監護講座を受講した後、一定の期間が経過しない限り、離婚の届出は受理できず、無効とする規律を設ける。
父母の一方が、子を連れ去り、又は子と同居するもう一方の父母を居所から締め出すことで、もう一方の父母の子の監護をする権利(民法第820 条)又は子の居所を指定する権利(同法第821 条)を侵害した場合、裁判所は、もう一方の父母の申立てに基づき、もう一方の父母の子を監護する権利又は子の居所を指定する権利を侵害した父母に対し、「共同監護計画」の遵守(婚姻中であれば、暫定的な「共同監護計画」作成への協力)を命じた上で、その命令に従わない場合には、親権喪失(民法第834 条)の審判を行うことができる規律を設ける。
父母の一方が、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(平成13 年法律第31 号。以下「配偶者暴力防止法」という。)第10 条第1項から第4項までの規定による命令(以下「保護命令」という。)を裁判所に申し立てたときは、裁判所が保護命令を発しない旨の決定をするまでの間、又は保護命令を発した場合、保護命令が失効するまでの間、裁判所は、当該父母に対し、婦人相談所等が提供する父母間の連絡調整及び子の受渡し支援サービスの利用を命ずる規律を設ける。
第4 婚姻中、親権を行使していなかった父母と子との、離婚後の面会交流、養育費に関する規律
離婚後、夫婦の同居、協力及び扶助の義務が喪失することに伴い、親権を行使していない父母と子との交流を義務付ける規律を設ける。
児童虐待を理由として親権停止等の状態にある父母と子との交流に関しては、裁判所が当該父母と子のみで交流させることは子の生命・身体に危害が及ぶおそれがあると判断した場合には、児童相談所が提供する監視付交流支援サービスの利用を命ずる規律を設ける。
離婚後、夫婦の同居、協力及び扶助の義務が喪失することに伴い、親権を行使していない父母に対し、子の監護に要する費用(養育費)の分担を義務付ける規律を設ける。
第5 離婚後共同親権制導入時に、未成年の子の親権を喪失している父母の親権回復その他の救済措置に関する規律
離婚後共同親権制へと移行するための民法の改正法を施行する際、離婚を事由として未成年の子の親権を喪失している父母は、裁判所の許可を得て、親権を回復できる旨規律する。
親権の回復を申請する父母は、子の居所の調査その他の子との再会を実現するための援助を国に申請することができる旨規律する。
また、共同監護を実現するため、弁護士等による裁判外紛争解決手続(ADR)を利用し、もう一方の父母と共に「共同監護計画」を作成すること及び「離婚後監護講座」を受講することを義務付ける。なお、その際にかかる標準的な期間内のADR費用及び公正証書作成費等の費用は、国が支給する。
もう一方の父母が当該計画作成に協力しない場合又は「離婚後監護講座」を受講しない場合、裁判所は、親権を回復した父母の申立てに基づき、もう一方の父母に対し「共同監護計画」作成への協力又は「離婚後監護講座」の受講を命じた上で、その命令に従わない場合には、親権喪失(民法第834 条)の審判を行うことができる規律を設ける。
第6 国際間の子の連れ去りに関する規律
国内実施法の子の返還拒否事由のうち「相手方及び子が常居所地国に入居した場合に相手方が申立人から子に心理的外傷を与えることとなる暴力等を受けるおそれ」(国内実施法第28 条第2項第2号)及び「申立人又は相手方が常居所地国において子を監護することが困難な事情の有無」(同項第3号)の規定を削除する。
終局決定の変更(国内実施法第117 条及び第118 条)及び再審(国内実施法第119 条及び第120 条)の規定を削除する。
子の返還申立事件について、国内実施法の家庭裁判所の終局決定に係る規定以外の司法当局に関する規定について検討を加え、その結果に基づき、当該規定の削除その他の必要な法制上の措置を講ずる。
【資料】
‐(別紙1)法務省法制審議会家族法制部会中間試案の懸念事項
‐(別紙2)民間法制審議会家族法制部会委員名簿
‐高橋史朗委員提出資料「中華民国の民法と親教育」
【記者会見におけるその他配布資料】
‐法務省法制審議会家族法制部会中間試案(予想)と民間法制審議会家族法制部会中間試案との比較
‐法務省法制審と民間法制審で実現する社会
2023-10-28 (土) 00:46:38
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