両親の愛情が子どもの健全な成長に不可欠であるとの認識のもと、子どもの連れ去り別居、その後の引き離しによる親子の断絶を防止し、子の最善の利益が実現される法制度の構築を目指します

平成25年11月24日、朝日新聞

離婚後も、我が子に会いたい 交流求めキミドリ・リボン

 【杉原里美】離婚しても親子で交流できる仕組みがほしい――。離婚で別居した子に会えなくなった親たちが、問題を広く知ってもらおうと、黄緑をシンボルカラーに活動を続けている。「キミとの絆を守りたい」という願いを込めて。

 東京、岩手、名古屋、宮崎など全国16カ所の駅前や広場で、この秋、黄緑色のTシャツを着た親たちがパンフレットを配り、子連れ離婚の現状を訴えた。

 実施したのは、「親子の面会交流を実現する全国ネットワーク」(親子ネット)やNGO「日本リザルツ」など。離婚で別居した親と子の交流を保障する法律の制定を求めている。

 民法は、離婚後は一方の親だけに親権を認め、離婚が子どもとの離別につながるケースは珍しくない。子どもとの面会交流を求める調停・審判の申し立ては2012年度に1万1459件で、10年前の約3倍。厚生労働省の調査(11年度)によると、離婚した母子家庭の母親約1300人のうち、51%が「(父子は)面会交流をしたことがない」と答えた。

 一方、米国やフランスなどでは、両親との交流が子の成長に必要だと考えられている。日本では十数年前から、子どもに会えない親らの団体が相次ぎ結成された。昨年、改正民法が施行され、離婚の際に親子の面会交流について取り決めるよう明記されたが、実行させる仕組みはない。

 昨年6月、子どもと離別した親たちが団体の垣根を越えてまとまり、親子の交流を訴える「キミドリ・リボン・プロジェクト」を発足。「キミとの絆を守りたい」と黄緑色をシンボルカラーにする。

 プロジェクトに加わる40代の会社員男性は、小学生の子ども2人との交流が絶たれて2年たつ。

 妻から求められて家を出て数カ月後、離婚調停を申し立てると、妻に子どもとの面会を拒まれた。その後は、妻の弁護士らが立ち会う場での面会を数回、認められただけ。最初は打ち解けていた子どもたちも、次第にぎくしゃくするようになった。男性は「子どもに会えないことを悩みながら、自死した仲間も4人いる。子どもの引き離しが不幸を生んでいることを知ってほしい」と話す。

 黄緑色とともにシンボルになっているのが、パンフにも使われた「りこちゃん」のイラストだ。埼玉県川越市の会社員女性(39)が描いた。小6の長女、小4の長男と1年半、別居していた。りこちゃんは当時5歳だった長女がモデルだ。

 子どもたちは当初、離婚した元夫と暮らし、女性は週末ごとに会っていた。別れ際にいつも泣き叫ぶ長女を見て、元夫は「こんなに泣くなら会わせたくない」と言った。女性はその後、親権者の変更を申し立て、認められた。

 2人はいま月に1回、元夫と面会する。もっと会いたがっているが、元夫は再婚し、新しい家族の理解を得るのが難しそうだ。「子どもが会いたいときに会えるよう、法律を整備して欲しい」と願う。

 りこちゃんのパンフは、親子ネットのサイト(http://oyakonet.org/message/rikochan2013.html)からダウンロードできる。

powered by Quick Homepage Maker 5.2
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional