両親の愛情が子どもの健全な成長に不可欠であるとの認識のもと、子どもの連れ去り別居、その後の引き離しによる親子の断絶を防止し、子の最善の利益が実現される法制度の構築を目指します

平成25年8月7日、日本経済新聞

離婚後の子の引き渡し「保育園や公道ダメ」 最高裁

 国際結婚が破綻した夫婦間の子供の取り扱いを定めた「ハーグ条約」加盟に向け、最高裁は6日までに、子供の引き渡しの際の注意点を全国の裁判官や執行官らに通知した。子供の心身への影響に配慮し、原則として公道や保育園での引き渡しはせず、自宅で行うなどとしている。国内結婚の場合も同様の対応を求めた。

 ハーグ条約への加盟は国会で5月に承認され、2013年度中に加盟する見通し。同条約は16歳未満の子供を一方の親が無断で国外に連れ去った場合、原則として元の居住国に戻さなければならないと規定している。

 親が日本に子供を連れ帰り、元の居住国へ戻すことに応じない場合、日本国内の手続きを定めた関連法では、最終的には裁判所の執行官が強制的に子供を引き離し、元の居住国に戻す。

 最高裁の通知は、執行官による強制的な引き渡しによって子供の心が傷ついたり、プライバシーが侵害されたりすることがないよう配慮すべきだと強調。引き渡しは連れ去った親と子供が一緒にいる場合に限り、原則自宅で行うとした。

 親が子供を抱きかかえて抵抗したり、子供が拒否したりする場合は、無理やり引き離さず、説得を繰り返すよう求めた。

 国内で夫婦が離婚したケースで、裁判所の返還命令に親が従わず、もう一方の親が強制的な引き渡しを求めた件数は10年が120件、11年が133件、12年が131件に上っている。

 日本では、子供の引き渡しの際の法的ルールはなく、かつては公道などで強制的な引き渡しが行われ、子供や他人のいる前で双方の親が言い争いになることもあったという。

 今回通知された注意事項は、全国の裁判官や執行官ら約150人が今年1~2月、協議した結果をもとに最高裁がまとめた。ハーグ条約が想定する国際結婚だけでなく、国内結婚の場合も同様に扱うべきだとの意見が多く、通知に盛り込んだ。

 最高裁民事局の担当者は「引き渡しの過程で子供の心を傷つけてしまう恐れがある。現場の執行官は常に難しい判断を迫られており、通知を今後の指針としてほしい」としている。

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