平成26年10月3日、日本経済新聞
海外連れ去りの子2人帰国 ハーグ条約に基づく援助申請受け
国境を越えて連れ去られた子供の取り扱いを定めたハーグ条約に基づき、スイスと米国に渡っていた2人の子供が、それぞれ9月に帰国していたことが3日、外務省への取材で分かった。
7月、母親と共に渡英していた子の返還命令が出たのが日本人への条約初適用だった。このケースでは日本の父親が外務省を通さず、直接英国当局に返還を求めていた。今回の2件は外務省に援助を申請し、帰国につながった。
外務省によると、スイスにいた子(8)は米国人の父親と共に渡航していた。日本人の母親が8月、外務省に援助を申請。スイスの当局を通じて居場所を特定し、スイスの裁判所が9月に返還命令を出した。
米国のケースでは日本人夫婦の子(3)が母親に連れられて渡米。父親が6月に外務省に援助を求めたが、話し合いを進め母子が任意で帰国したという。
4月に日本が条約に加盟した後、外務省には3日までに計77件の援助申請が寄せられた。日本から海外に連れ去られた子の返還の申請は8件、海外から日本に来た子の返還申請は12件。このほか面会の実現を求めた申請は計57件となっている。〔共同〕