平成26年5月19日、毎日新聞
ハーグ条約:「発効前の連れ去りも解決を」米国務省大使
日本で4月に発効したハーグ条約の協議のため来日した米国務省のスーザン・ジェイコブス大使(児童問題担当特別顧問)が19日、毎日新聞のインタビューに応じ、「(発効前に子を連れ去られた)米国の親は子供と会うことを望んでおり、それらの解決も重要だ」と述べ、条約発効前に発生した子の連れ去り事案の解決にも期待感を示した。
条約は国際結婚が破綻した夫婦間の子(16歳未満)の扱いなどを定め、無断で日本に連れ去られた子を原則として元の居住国に返還することを義務づけている。だが、発効前の事案は適用されない。
一方、配偶者の暴力などがあれば返還を拒否できる規定があるが、証明が難しいという指摘もある。ジェイコブス大使は「警察に行けば記録が残る。まずは病院やシェルターなどに支援を求めてほしい」と語った。
米国務省によると、日本に連れ去られた事案は58件80人(2月現在)でメキシコとインドに次いで3番目に多いという。【長野宏美】