平成27年11月16日、ZAKZAK
《zak女の雄叫び お題は「士」》本当にいた!「別れさせ屋」 これが離婚訴訟の最新実態
お題は「士」。ということでかつては憧れた「弁護士」先生について。高い倫理観を持ち不正をただす正義の味方というイメージも強いのですが、実際のところ、自分の主義主張を実現させるためなど、首をかしげたくなる先生もいることを取材を通じて知りました。
また、古美門研介(フジテレビ系ドラマ『リーガルハイ』)ほどではないにしても、大なり小なりお金のためという方も少なくありません。特に、司法制度改革後は、弁護士の数は倍増したのに、交通事故や倒産件数、刑事事件は減少。少ないパイを多くの弁護士で取り合う状況のため、経験の浅い弁護士ほど食べていくのが難しく、まさに背に腹は変えられないといった状況もあるようです。
そんななか、比較的安定して収入になるのが離婚訴訟です。ホームページで「離婚」「弁護士」と入力すると、次々と弁護士事務所のサイトが出てきます。中には、確たる離婚の意思を固めないまま無料相談などに釣られて、離婚相談にきた既婚女性に「あなたはDVの被害者だ」「精神的DVは、本人が被害に気づかない場合もある」など、被害者意識を埋め込む場合も。
都内の共働き家庭の夫側から取材したケースでは、「親権をとって確実に離婚したいなら、子供を連れて家を出なさい」と弁護士に勧められた妻は突然、子供を連れて家出。行き先は、新しく借りた近所の賃貸マンション。夫の男性によると子供たちは「お父さんと会ってよいのは面会交流日の月1日」などと信じ込まされ、自由に子供たちと会うこともかなわなくなったそうです。男性は「弁護士は、まるで家族を破壊することが目的のようだ」と怒り心頭の様子でした。
男性側だけの一方的な意見なので、軽々しくは判断できませんが、家庭裁判所の調停委員をしている女性に聞くと、やはり「別れさせ屋」の弁護士は多々存在し、調停でも眉をひそめる場面が増えているとのこと。
「一昔前だと、調停委員が夫婦それぞれの欠点や問題点を指摘して、離婚を考え直すよう促すことがあったけど、最近はすぐにブログなどに『調停委員にこんなこと言われた』などとアップされ、言いたいことも、言えなくなった。弁護士は、120%依頼者の主張を認めてくれるわけですから、気持ちがいい。その結果、互いに歩み寄りの余地はなくなる。むしろ、弁護士は訴訟になれないと収入にならないから、相手方の非をあげつらうばかり。少しでも離婚を回避したい気持ちがあるなら、戦闘モードの弁護士には頼らないほうがいい」と忠告されました。
母子密着育児の影響か、母親は自分の子供を自分のものと思いがちです。しかし、子供は一個の独立した人格であって、片親の都合で境遇を変えていいはずがありません。
少子化により子供の親権争いも激化し、親権を確実にしたいために、片親がもう片方の親に無断で子供を連れて家を出るケースも問題になっています。現在の国内法では、法律違反ではありませんが、ハーグ条約では典型的な「連れ去り」です。突然、子供を連れ去られた親の悲しみと怒りを思うと、一刻も早く国内でも、子供を連れての一方的な別居は法律違反という共通認識が必要です。
最後に、最近読んだ本の中で、ちょっと怖くなった本を紹介します。マーケティングライター、牛窪恵さんの近著「恋愛しない若者たち コンビニ化する性とコスパ化する結婚」には、「子供を産むためだけに結婚したいが、夫は必要ない」という女性が登場します。
前述の取材経験とこの本の内容を組み合わせて想像すると、子供だけがほしい女性がとりあえず結婚し出産後はじゃまになった夫と別れ、かつ十分な養育費を得るために、弁護士を使って計画的に離婚することも可能です。うーん、恐ろしい。男性諸氏はくれぐれも知らない間に、種馬&自動現金送金機にされないよう、ご用心ください。(M)
アクセス数
総計:1724 今日:2 昨日:2