両親の愛情が子どもの健全な成長に不可欠であるとの認識のもと、子どもの連れ去り別居、その後の引き離しによる親子の断絶を防止し、子の最善の利益が実現される法制度の構築を目指します

平成27年2月23日、朝日新聞

「子との面会拒否」理由、親権を母から父へ 福岡家裁

 離婚などが理由で別居する親と子供が定期的に会う「面会交流」を巡って、離婚して長男(7)と別居した40代の父親が、親権者の母親が拒むため長男と会えないとして、親権者の変更を申し立てた家事審判で、福岡家裁が父親の訴えを認め、親権者を父親に変更する決定を出していたことが分かった。虐待や家庭内暴力が理由で親権者の変更が認められるケースはあるが、面会交流を理由にした変更は極めて異例。
 親権を失った父親(40代)が、離婚調停で合意した長男(7)と定期的に会う「面会交流」が守られていないとして、母親からの親権変更などを求めていた審判があり、福岡家裁が親権を父親にする決定を出した。決定は昨年12月4日付。

 家裁は、決定理由で「親権者変更以外に現状を改善する手段が見当たらない」などとした。父親の代理人の清源(きよもと)万里子弁護士(大分県弁護士会)によると、面会拒否を理由に親権変更を裁判所が認めることは珍しいという。

 決定によると、父親と母親は2011年7月に離婚が成立。調停条項は、福岡県に住む母親を親権がある養育(監護)者とし、県外の父親が長男と月1回、面会することなどが盛り込まれた。しかし、母親の影響で長男が面会を拒むようになったことから、父親は12年9月に家裁に親権者の変更を申し立てた。

 家裁は母親を除いた父親と長男の面会を2回試行。1回目は最終的に2人で遊べるようになったが、母親が様子を観察していたことを伝えると、2回目は長男が嫌がった。

 家裁は「長男は1回目に父親と円滑な交流をしたことに強い罪悪感を抱き、母親に対する忠誠心を示すために拒否感を強めたとするのが合理的」と判断し、「父親を強く拒絶する主な原因は母親の言動」と認定した。その上で「長男の養育のために協力すべき枠組みを設定することが有益」と指摘し、元妻が監護者のまま、父親に親権を移し、月1回の父親との面会交流を実施するよう決定に記した。

 棚村政行・早稲田大教授(家族法)は「面会拒否を理由に親権者を変更したのは初めてだろう。面会交流が、子の利益のためであることを明らかにした点で評価できる」と話した。

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