平成28年10月17日、朝日新聞
茨城)離婚後の養育支援考えるシンポ 茨城大学で
親が離婚した子どもの養育支援を考えるシンポジウムが16日、水戸市の茨城大学であった。水戸家庭裁判所の調査官や心理学者が登壇。離婚後も養育環境を充実させる欧米のプログラムを紹介し、貧困リスクが高まる子どもに配慮した施策の充実を訴えた。
同大の野口康彦教授(臨床心理学)が企画。離婚が子どもの貧困を引き起こす大きな要因の一つになっている現状を前に、「離婚後も父と母の双方が責任を持って、子どもを育てる必要がある」と考えた。
シンポではまず、心理学者2人が国内外の離婚の状況を報告。再婚家庭であっても、実の親の役割を無理に果たさなくていいといった研究内容を紹介。また、日本では離婚後の面会交流の時間が1年間で計24時間ほどにしかならないのに対し、アメリカやノルウェーでは100日を超えるほか、養育費の不払いにも強制徴収や立て替えなど対応する制度があるという。
その後、水戸家裁の瀧川善和・主任家裁調査官も「子どもの養育に十分ではない金額ですら、(支払いが)実行されていないという現状がある」などと話した。面会交流を援助する民間組織の必要性や、養育費の支払いや面会交流の実施などについて裁判後のアフターケアの充実を訴えた。
シンポには、親が離婚した人たちが今年4月に立ち上げた「日本離婚の子ども協会」(東京)のメンバーも駆けつけた。
代表の中田和夫さん(45)は生後まもなく、両親が離婚して父子家庭で育った。「かつて離婚は夫と妻との間の問題で、子どもの問題は『付録』みたいな感じだった。今回のような、子どもを第一に考える集まりが開かれるのはありがたい」と話す。
協会は同じような境遇の人との交流を進めている。問い合わせはメールで協会(brndnewmorning0228@gmail.com)へ。(村田悟)
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