平成29年7月21日、日本経済新聞
離婚訴訟が長期化、平均1年超 財産分与巡り対立 最高裁報告
2016年に判決などで結論が出た離婚訴訟の一審の平均審理期間は12.3カ月で、離婚訴訟が家庭裁判所の管轄になった04年以降で最も長かったことが21日、最高裁の報告書で分かった。財産分与などを巡る夫婦間の対立が深まり、解決が難しい事件が多くなっているとみられる。
報告書によると、離婚の争いが大半を占める「人事訴訟」は昨年1年間で全国の家裁に約1万件起こされた。離婚件数そのものの減少を背景に、同訴訟の件数は12年から減りつつあるが、審理期間は10年(10.4カ月)から6年連続で長くなっている。
報告書は「財産分与のための預金取引履歴の開示を巡って夫婦が対立したり、離婚原因について主張の応酬が繰り返されたりする」と長期化の要因を分析。夫婦間の解決が難しく、双方に代理人弁護士がつく割合も増えている。
離婚に伴う養育費の支払いや子供との面会交流に関する審判や調停の件数は右肩上がりで増えており、審理期間も長期化。16年は平均6.2カ月で、前年より0.2カ月長くなった。
全国の家裁が扱う離婚や相続などの案件は16年に初めて年間100万件を超え、迅速な解決が課題となっている。
報告書は03年施行の裁判迅速化法を受けて最高裁が2年に1回まとめており、今回が7回目。
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