両親の愛情が子どもの健全な成長に不可欠であるとの認識のもと、子どもの連れ去り別居、その後の引き離しによる親子の断絶を防止し、子の最善の利益が実現される法制度の構築を目指します

平成29年9月23日、読売新聞

父へ母へ「愛されたかった。さようなら」…虐待被害100人、醜い親への手紙

 児童虐待を受けた100人が、親に宛てた手紙を集めた「日本一醜い親への手紙」(dZERO刊)が10月上旬に出版される。1997年、同じタイトルで10万部を売り上げた本の第2作。親への憎しみや愛されなかった悲しさ、決別の言葉がつづられている。寄稿者の一人は、取材に「虐待で苦しむ人たちに、『一人じゃないよ』って伝えたい」と話す。

1日かけてスマホで打った母への手紙を読み返す麻衣さん。憎しみと悲しさが入り交じった複雑な思いがつづられている

「お母さんを殺すか、自分が死ぬか…」

 「お母さんを殺すか、自分が死ぬかで何度も迷ったんですよ」

 大阪府内に住む鍼灸(しんきゅう)師の麻衣さん(32)(仮名)は、母親への手紙で、自身の生い立ちをそう振り返った。

 4歳の時、虐待が始まった。母親は出産後まもなく離婚しており、麻衣さんが「お父さんに会いたい」と伝えたところ、激怒して頬を思い切り殴られた。

 小学生になっても暴力は続き、「娘というのは、母親の機嫌次第で殴られ、蹴られるものなのだ」と思っていた。

 鍼灸師の専門学校を卒業後、家を出て開業したが、母親の過干渉でうつ病に。昨秋、医師の勧めで母親との連絡を絶った。それから1年。今はパートナーと子どもの3人で幸せに暮らす。

 手紙では、母について「もう何とも思いません。憎むことで縛られたくない」とつづる。ただ、手紙はこう締めくくられる。

 「でも、本音を言うと…悲しいし、寂しいです。お母さん、あなたに愛されたかったです。さようなら」

虐待受けながら、それでも親を愛そうと…

 手紙は4~6月にインターネット上で公募された。本に登場する100人は中学生から50歳代。性的虐待や暴力、進学に必要なお金を用意しないなど経済的な虐待を受けたケースがあった。麻衣さんは「虐待を受けている時、自分は世界にひとりぼっちだと思っていた。でも、同じように苦しむ人がいると知り、それだけで心が楽になった」と言う。

 編集は、前作から引き続きフリーライターの今一生さん(51)が担当した。今さんは「虐待を受けながら、それでも親を愛そうと、大人になって苦しむ人は多い。本には、『無理してつきあっていく必要はないんだよ』というメッセージを込めた」と話す。
 四六判264ページ、1800円(税抜き)。

こころぎふ臨床心理センターの長谷川博一センター長の話

 「虐待を受けていたのに『親とうまくいかないのは自分のせい』と自らを責めがちな人が読めば、その考えから抜け出すきっかけとなり得る。過度に親への不信感を募らせる場合もあり、悩んだら、一人で抱え込まず、専門家に相談してほしい」

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