両親の愛情が子どもの健全な成長に不可欠であるとの認識のもと、子どもの連れ去り別居、その後の引き離しによる親子の断絶を防止し、子の最善の利益が実現される法制度の構築を目指します

平成30年4月8日、北海道新聞

旭川家裁、離婚調停に「親ガイダンス」導入 道内初、子どもへの影響説明

 【旭川】旭川家裁は今月から離婚調停に入る夫婦を対象に「親ガイダンス」を導入した。裁判所の調査官が、両親の離婚に伴う子どもの心への影響などを説明し、養育環境への配慮を促す。道内初の取り組みで、旭川家裁は「子ども目線で離婚を考えるきっかけに」と期待する。

■養育環境への配慮促す
 親ガイダンスは、離婚調停の初回に家裁の面接室で夫婦別々に約30分間行う。スライドを上映し、離婚や別居が子どもに及ぼす影響、親権や養育費などを巡る争いで板挟みになる子どもの心情などを説明。離れて暮らす親と面会して交流することの子どもにとっての大切さや、養育費の支払い義務などについても解説する。ガイダンスは、強制ではなく任意で、未成年の子どもがいる夫婦に勧める。

 この取り組みは盛岡家裁が2012年に国内で初めて実施した。11年の民法改正で離婚の際は「子の利益を最も優先して考慮しなければならない」と明記されたことがきっかけ。その後、京都家裁や大阪家裁などにも広がっている。

 旭川家裁は2年前から導入に向けて検討を開始し、かつて大阪家裁堺支部で導入に関わった、坂井義宏首席調査官らが準備を進めてきた。

 昨年11月から試行を行ったところ、19組がガイダンスを受け、「子どもへの影響が心配になった」「自分にできることを考えたい」などの意見が聞かれたという。

 夫婦の間に入って話し合いを進める調停委員らでつくる、旭川調停協会連合会の柏川法潤会長は、親ガイダンスの効果について「夫婦が、親権を争う時も感情的になりすぎず、子どもの将来を立ち止まって考えるケースが増えた」と話している。(山村晋)

■協議離婚でも普及を

 北海道大大学院法学研究科の藤原正則教授(民法)の話 親ガイダンスは欧米では普及しており、子どもにとって一番いい養育環境を考える機会になる。欧米では離婚後、父親と母親の双方が子どもを養育する共同親権が一般的。日本ではそのいずれかによる単独親権しか認められておらず、子どもにどう配慮するかが課題になっている。裁判所は、協議離婚する夫婦にもガイダンスを受ける場を設け、普及に努めるべきだ。

 <ことば>離婚調停 夫婦の話し合いによる協議離婚がまとまらない場合、当事者は家庭裁判所に調停を申し立てることができる。裁判官や調査官、調停委員が間に入り問題解決を図る。離婚のほか、親権者の決定や財産に関する問題も扱う。厚生労働省によると、2016年の離婚は全国で21万6798件。大半は協議離婚で、調停は約1割となっている。

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