両親の愛情が子どもの健全な成長に不可欠であるとの認識のもと、子どもの連れ去り別居、その後の引き離しによる親子の断絶を防止し、子の最善の利益が実現される法制度の構築を目指します

平成27年10月3日、毎日新聞

ADR:親子面会の試験運用 離婚父母に歩み寄り促す

 厚生労働省は10月から、離婚後の親子の面会交流の取り決めに「裁判外紛争解決手続き(ADR)」を活用する「面会交流ADR」の試験運用を始めた。養育費の支払い方法もセットで協議し、子の利益を最優先した養育計画の早期作成を目指す。離婚や別居を考えている父母を対象に、民間団体に委託して来年3月まで実施し、結果を分析して面会交流の促進につなげたい考えだ。

 厚労省によると、面会交流ADRでは家事裁判に詳しい弁護士が仲裁に入り、父母同席の下で面会交流の回数や養育費の支払額を話し合う。合意内容は公正証書にして法的な効果を持たせる。

 権利意識の向上や父親の育児参加が進み、子をめぐる紛争は年々増加している。最高裁によると、2014年に全国の家裁が受けた面会交流や養育費請求の調停申し立ては計2万9313件に上った。調停の成立率は約6割だが、手続きの中で父母が互いに相手を非難して溝が深まり、合意しても約束が守られないケースもあるという。

 こうした現状を踏まえ、面会交流ADRでは仲裁人が子の立場から父母に妥協案を提案。必要に応じて児童心理に詳しい臨床心理士も助言役として加わる。離婚や別居が子の心理面に与える影響を理解してもらう講座も用意して父母の歩み寄りを促し、2~3カ月以内の合意を目指す。

 厚労省は今年度、調査研究費に1500万円を計上し、事業をNPO法人「日本リザルツ」(東京都千代田区)に委託した。厚労省家庭福祉課は「面会交流の現状に問題意識を持っている。子の利益にかなう解決策を模索していきたい」としている。【山本将克】

 【ことば】ADR(裁判外紛争解決手続き)

 調停や審判、和解など裁判によらない方法で法的トラブルを解決する手続き。専門知識を持つ第三者が中立の立場で当事者の間に立つ。裁判に比べ、迅速な紛争処理が期待できる。原発事故の賠償や金融機関と利用者のトラブル、消費者問題などさまざまな分野で利用されている。

※日本リザルツの 離婚と親子の相談室「らぽーる」についてはこちらhttp://oyako-support.jp/ を参照ください。

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